小さなチームで有機的な循環を生む〜業務システム開発の楽しさはどこにあるか(その2)

Artisan sculpteur sur bois (Changu Narayan)
Artisan sculpteur sur bois (Changu Narayan) / dalbera

自分で書いた、業務システム開発の楽しさはどこにあるかという記事を改めて読んでみて、一つ感じたことがありました。

まず分析する。
次に変革する。
その結果、顧客から感謝されるということです。

コンサルタントとエンジニア

私はこの記事で「コンサルティングマインド」という言葉を挙げています。その上で、分析→変革というプロセスを書いています。

ただ、エンジニアがコンサルティングまではやらないのではないか。エンジニアリングをやるのがエンジニア、コンサルティングはコンサルタントがやるのではないか。そこに分業の仕組みがあります。

コンサルタントは分析から変革案の提示まで、エンジニアは変革案に基づくITシステムの開発までという分担です。そして、エンジニアが作ったITシステムを導入し、実績を挙げる部分には再びコンサルタントが登場するでしょう。

これは、いわゆるV字モデルというやつで、業務システムの「開発」に特化すると、それはV字の下の方に限定されるのではないか。それでもやはり、先の記事に書いたような楽しさを感じられるのかという疑問が湧いてきます。

アーキテクトという存在

ここ数年くらいで「アーキテクト」という職能が注目されています。私自身もそれを目指そうと、このブログに書いたこともあります。
私の理解では、アーキテクトはコンサルタントとエンジニアのつなぎ目にいる人で、コンサルティングフェーズに入ってITのことを考えつつ、エンジニアリングフェーズに入ると経営のことを考えるという存在です。

たしかに、アーキテクトになれば、分析にも変革にも直接携わることができますから、先の記事に書いたような楽しさを感じることが出来るでしょう。
しかし、そうするとアーキテクト以外は楽しいのか?という疑問も湧いてくるわけです。まぁ、それぞれ別の楽しみもあるのだから、それで良いではないかという考え方もありますが・・・。

重要なのは有機的な循環

2012年に書いた記事で、西村佳哲さんの「なんのための仕事?」に見るリビングワールドとソフトウェアエンジニアのあり方というのがありますが、そこで、こんな引用をしています。

ちなみに建築設計の領域には、この分離を解消するべく「アーキテクト・ビルダー」を名乗って仕事をしている人たちもいる。先祖返りのような形なのだけど、設計だけでなく大工としても通しで携わることで仕事の有機性を高めている。過度な分業化はむしろ効率が悪いということを、こうした人たちは強く意識していると思う。

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コンサルティングの仕事とエンジニアリングの仕事を分業していることに、そもそもの問題があるのではないかということを感じます。
大きなチームの中でアーキテクトを目指すというのではなく、全員がアーキテクトになって小さなチームを作れば良い。一人アーキテクトの一人チームでも良い。そうすれば、現状分析と変革を同じ人がやるようになるので、有機的な循環が始まるし、仕事も楽しくなってくるだろうと思います。

ITとビジネスの双方に妥協しない

私のやっているアルティザンエッジ合同会社のビジョンの冒頭に、こんなことが書いてあります。

アルティザンエッジは、ITとビジネスの双方に妥協しません。

どちらかではなく、双方なんですね。
やっぱり、どちらかというのは楽しくないよ!という思いがあって、このようなビジョンを書いたのですが、改めてその思いを強くしました。
この記事を書いている最中に、そういえば前にもこんなことを書いたなぁ・・・と思い出しました。

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この記事を書いた人

井上 研一

株式会社ビビンコ代表取締役、ITエンジニア/経済産業省推進資格ITコーディネータ。AI・IoTに強いITコーディネータとして活動。2018年、株式会社ビビンコを北九州市に創業。IoTソリューションの開発・導入や、画像認識モデルを活用したアプリの開発などを行っている。近著に「使ってわかった AWSのAI」、「ワトソンで体感する人工知能」。日本全国でセミナー・研修講師としての登壇も多数。