DXには産みの苦しみもある

今日、安倍内閣の総辞職と、管内閣の発足がありました。管内閣ではデジタル担当大臣なるものが生まれ、デジタル庁も作りたいということのようなので、政府のDX、さらに民間のDX推進を期待したいところです。

ただ、一方でドコモ口座での不正出金問題(これはドコモ口座だけはないということのようですが)や、Uber Eatsの配達員の一部が乱暴な運転をしているという話がニュースを賑わせています。

DXが進展すると、どんどん世の中が変わっていきます。もともとのDXの概念がITを使って世の中を便利にしていくというものですから、世の中が変わっていかないと真のDXが進んでいないということです。

DXが変える世の中というのは、決してパソコンやスマートフォンの画面の中だけでなく、リアルの世界も変わっていきます。そうなると、ドコモ口座のようなセキュリティ問題や、デジタル化を進めても残ってしまうリアルなところ(Uber Eatsの配達のような)での問題が起きてしまうのは、最初はやむを得ないのかな・・・と、思うのです。

もちろん、問題が起きないならその方が良いのですが、産みの苦しみというものもあります。問題ができた後がきちんとフォローできるなら、問題は早く出した方が良いとも思います。それが、デジタルのスピード感ですし、そうでなければサービス開発は進まないのかもしれません。

それだけに、現在起きているような問題が起きたからといって、DXはダメだという話になって欲しくないのです。どんどんトライすること、それを許容する社会であることが、DXを日本経済を引っ張る存在にするために必要なことだと思います。

この記事を書いた人

井上 研一

株式会社VIVINKO 代表取締役/VIVINKOコンサルティング 代表
経済産業省推進資格ITコーディネータ/ITエンジニア

ITコーディネータとして、2016年からAIを業務に組み込む活動を続けている。2018年に株式会社VIVINKOを地元・北九州市で創業し、2020年に東京からUターン。生成AIを利活用するためのクラウドサービス「Gen2Go」を開発し、北九州発!新商品創出事業の認定を受ける。北九州市ロボット・DX推進センターでDXコーディネータとして中小企業支援に携わるほか、一般社団法人IT経営コンサルティング九州(ITC九州)の理事も務める。近著に「使ってわかった AWSのAI」、「ワトソンで体感する人工知能」。日本全国でセミナー・研修講師としての登壇も多数。