コンサルタントとしてアンカーでいるということ

ITコーディネータとしてAI導入に関するコンサルタントというか、顧問的な役割を担うお仕事もさせてもらっています。

実際に導入そのものをすることもあれば、まさに「顧問」のような役回りをすることもあるのですが、顧問としての場合、開発が行われている最中はあまり出番がないというか、打ち合わせのたびに「もともとの思い」だけをずっと言い続けている人になることがあります。

なんだかあまり仕事をしていないようにも見えるので、どうしたものかなとも思うのですが、ときおりそれが重要になるシーンが出てきます。

私自身も開発側に回るとそういうことになるので、あまり大きなことは言えないのですが、どうしても開発とか運営管理サイドは目の前の課題に熱心になるあまり「もともとの思い」を忘れてしまうことがあります。それを引き戻すというか、忘れないようにするというのが顧問的な役回りでは重要なのかなと思うわけです。

そんなことを考えたときに思い出したのは、キャリア・アンカーという言葉でした。キャリア・アンカーは、組織心理学の概念で、「自らのキャリアを選択する際に、最も大切な(どうしても犠牲にしたくない)価値観や欲求のこと」を言います(Wikipediaより)。アンカーというのは英語で船の錨の意味なので、錨がちゃんとしていれば船は流されない、つまり価値観がちゃんとしていればキャリアの選択を間違わないということです。

コンサルタントの役目の一つに、そのアンカー(錨)としての役回りもあるのかなと思います。「そもそもの思い」は還元すると「経営者の思い」、「創業の思い」につながります。その整合性がきちんと取れているかが大切なことです。

ITコーディネータ・プロセスガイドライン(IT経営プロセスガイドライン」でも経営者の思いをきちんとヒアリングし、それを経営戦略からIT戦略、さらに日々の業務に反映していくことの大切さが述べられています。まさに、そういうことだと思うのです。

Ad

この記事を書いた人

井上 研一

株式会社ビビンコ代表取締役、ITエンジニア/経済産業省推進資格ITコーディネータ。AI・IoTに強いITコーディネータとして活動。2018年、株式会社ビビンコを北九州市に創業。IoTソリューションの開発・導入や、画像認識モデルを活用したアプリの開発などを行っている。近著に「使ってわかった AWSのAI」、「ワトソンで体感する人工知能」。日本全国でセミナー・研修講師としての登壇も多数。