ITコーディネータ協会から中小企業向けAI活用ガイドが公開されました

9月30日、ITコーディネータ協会から「中小企業向けAI活用ガイド〜生成AIを中心としたAIの戦略的導入〜」が公開されました。私は同協会の生成AI研究会のリーダーとして、企画・執筆に携わりました。

昨年から少しずつ企画が動き出し、正式に生成AI研究会が立ち上がったのが昨年末。今年に入って2月1日のITコーディネータの日のイベントで日本全国の皆様に生成AI研究会について説明したりディスカッションをしました。さらに春のスプリングカンファレンスでも途中経過をご報告するといったことをしてきました。

執筆が概ね終わったのが8月末、それから多彩な査読者の方からあらゆる指摘をいただいて・・・、どうにかこうにか対応して公開までこぎ着けたのが今日という次第。昨日までギリギリで作業していましたしね。

全体的には、デジタル経営の考え方に則って、短期だけでなく中長期のAI活用戦略を考えていただける内容になっていると思います。生成AI研究会でありながら生成AIに限定することなく、すぐできる短期の取り組みだけではなく、企業のAI活用成熟度を見ながら、中長期の戦略を策定しながら進めていくという内容になっています。

また、AI活用のアプローチをツール活用型とシステム開発型の2つに分けたというのも一つの特徴だと思います。成熟度が低いうちはツール活用型で既存業務の効率化を中心に進め、成熟度が上がるにつれてシステム開発型で抜本的な業務改革や新たな価値の創造にAIを活用していくという考え方です。

ただ、査読いただいた有識者の皆さんのご意見を完全に取り込むのは難しいところもあり、さらに言えば、AIの進化は早くて公開した矢先から時代は変わっていく・・・ということもあります。そのため、ライブドキュメントとして継続的に更新していく予定としています。そのため、書籍版やPDF版はご提供せず、Web版のみとなっています。(但し、Web版の中にPDFなどとして印刷できる全体版はご提供しているのが特徴です。)

まずはご覧いただき、ぜひご活用いただければと思います。

この記事を書いた人

井上 研一

株式会社VIVINKO 代表取締役/VIVINKOコンサルティング 代表
経済産業省推進資格ITコーディネータ/ITエンジニア

ITコーディネータとして、2016年からAIを業務に組み込む活動を続けている。2018年に株式会社VIVINKOを地元・北九州市で創業し、2020年に東京からUターン。生成AIを利活用するためのクラウドサービス「Gen2Go」を開発し、北九州発!新商品創出事業の認定を受ける。北九州市ロボット・DX推進センターでDXコーディネータとして中小企業支援に携わるほか、一般社団法人IT経営コンサルティング九州(ITC九州)の理事も務める。近著に「使ってわかった AWSのAI」、「ワトソンで体感する人工知能」。日本全国でセミナー・研修講師としての登壇も多数。