なぜ今、MBAなのか – 北九州市立大学ビジネススクールに入学しました

2026年4月4日、北九州市立大学ビジネススクール(大学院マネジメント研究科)の入学式がありました。私も入学生の一人として参加し、大学院生になりました。これから2年間で学びを深め、どうにか修了してMBA(経営学修士)を取得したいと思っています。

北九州市立大学ビジネススクール(K2BS)は、いつか行きたい、MBAはいつか取りたいと思っていました。一時期、放送大学大学院の科目履修で学んでいた時期もありましたが、それは別の形で進めようとした結果でもあります。

昨年末、いろいろなことがあって、K2BSに通えるだけの時間的な余裕ができたのではないか、少なくとも、行くならこのタイミングではないか、と思い、受験を決めました。書類選考と面接を経て、今日の入学式を無事に迎えることができたのですが、入学の日に、あらためて「なぜMBAなのか」を書いておきたいと思います。

断片的な学びを体系化する

私は、2023~2024年に「ITコーディネータ・プロセスガイドライン(PGL) Ver.4.0」の執筆メンバーの一人として、総論的な部分と経営戦略に関する部分を書きました。2025年には、ITコーディネータ協会生成AI研究会として「中小企業向けAI活用ガイド」の作成にも関わりました。

こうした執筆を行うにあたり、また、日々のDX支援やケース研修講師(新ケース研修の作成にも携わりました)を務める中で、経営について書籍を読んだり、必要なタイミングで必要なことを学んだりはしてきました。ただ、それらはやはり断片的だったと思うのです。

もともと私は専門学校からIT業界に入ったので、経営についての体系的な学習は未経験でした。30代前半に産業能率大学の通信教育課程に3年次編入し、そこで経営を学びましたが、あくまで学部レベルの学びでした。ここで、さらに高いレベルでの学びを体系的に行いたい、という思いが強くなったのです。

AI時代の中小企業経営とその支援

大学院での学びは、単に教えてもらって知識を得るだけではなく、自ら新たな知を見つけていくことでもあると思います。入学選考時のエッセイにも書いたのですが、このタイミングで大学院、しかもビジネススクールで学ぶのであれば、「AI時代の中小企業経営とその支援」をテーマにした研究を行うことが、自分のやるべきことだろうと思っています。

自らがPGLやAI活用ガイドで書いたことは、執筆時点でもしっかり取り組んできたつもりですし、特にPGLはかなりの議論や査読を経たものです。AI活用ガイドについても査読を行いましたし、どちらも当然ながら単著ではなくチームで執筆したものであり、その中での議論も経ています。

ただ、それでもなお、このタイミングで、そこに書いたことをさらに精緻化していきたいと思っています。

このAI時代には、働き方や経営のあり方が大きく変わるはずです。それがどうあればよいのか。もちろん、それは単なる技術の話ではありません。AIと共に仕事をする組織文化や、人間とAIとの協働によって生まれた成果物を社会がどう受け止めるか、といったことまで含めて考える必要があると思っています。

こうしたことは、セミナーなどでも折に触れて話してきました。ただ、その発言にもっと裏付けと深みを持たせるためには、自分自身がしっかりと学ぶ必要がある。そう考えています。

組織のマネジメント

私は基本的に一人で仕事をしている人で、会社も一人でやっています。もちろん、実際にはお客様もいれば協業もあるので、本当に一人で完結する仕事などないのですが、自分が直接マネジメントする組織を持っているわけではありません。

その状態でK2BSに出願し、面接を受け、入学に至ったのですが、その後、いくつかの状況変化が起きました。詳しくはまだ書けませんが、組織の一員として、それもマネジメントやリードに関わる立場に就くことになりそうです。

年齢的には、そうした役割はもう少し先、少なくともMBAを取得した後だろうと思っていました。けれど、どうやらそうでもないらしい。既に一つの肩書きでは収まらない仕事をしていますが、これからはさらに、組織をリードする立場としての肩書きが増えていくのかもしれません。

そう考えると、K2BSでの学びの意味も少し変わってきます。もともとマネジメントを学ぶ場なのですから、むしろ今の自分の状況には、より合っているのだと思います。そういう意味でも、K2BSへの期待は一段と大きくなりました。

この場所で書いていくこと

この場所ではこれまでも折々に文章を書いてきましたが、K2BSへの入学を一つの節目として、これからは学びの記録という性格が少し強くなっていくのだと思います。

「学び」といっても、学校で学ぶことだけではありません。仕事の中で考えたこと、本を読んで得たこと、街を歩いて気づいたこと。そうしたものを組み合わせながら、自分なりの学びをここに書いていきたいと思っています。

だから、これは単なるブログというより、自分のためのノートに近いのかもしれません。いずれは、もう少しオピニオンに寄った文章を書くこともあるかもしれませんが、そのためにもまずは学びを積み重ねていきたいと思っています。

その時々でいろいろな肩書きが付いているかもしれませんが、ここに書くことは、少なくとも組織を代表する意見ではなく、あくまで井上研一個人の記録であり、考えです。

そんなことを思いながら、ここからの2年間を書いていこうと思います。

この記事を書いた人

井上 研一

株式会社VIVINKO 代表取締役/VIVINKOコンサルティング 代表
経済産業省推進資格ITコーディネータ/ITエンジニア

ITコーディネータとして、2016年からAIを業務に組み込む活動を続けている。2018年に株式会社VIVINKOを地元・北九州市で創業し、2020年に東京からUターン。生成AIを利活用するためのクラウドサービス「Gen2Go」を開発し、北九州発!新商品創出事業の認定を受ける。北九州市ロボット・DX推進センターでDXコーディネータとして中小企業支援に携わるほか、一般社団法人IT経営コンサルティング九州(ITC九州)の理事も務める。近著に「使ってわかった AWSのAI」、「ワトソンで体感する人工知能」。日本全国でセミナー・研修講師としての登壇も多数。