ITC九州の理事に就任しました

2024年5月24日、一般社団法人IT経営コンサルティング九州(通称:ITC九州)の社員総会が開催され、私も理事として選任いただきました。光栄であると同時に、地域のIT活用や中小企業支援に貢献する責任をあらためて感じています。

本記事では、ITC九州とはどのような組織か、そして理事として取り組みたいことについてご紹介します。

ITC九州とは何か?

ITC九州は、ITコーディネータ(ITC)によるビジネス支援を目的とした届出組織で、九州を拠点に活動しています。現在22名のメンバーが在籍し、公的支援や民間企業向けのコンサルティング事業などを行っています。

ITコーディネータ制度には全国組織である「ITコーディネータ協会(ITCA)」が存在しますが、地方支部のような構造ではなく、各地域に「届出組織」として有志による自主的な団体が点在しています。ITC九州はその中でも比較的規模の大きな、実務重視の組織です。

理事として取り組みたいこと

理事として、私が注力したいのと考えているのは次の3点です。

ITコーディネータの価値と認知度向上

ITと経営の架け橋であるITCの存在は、中小企業支援において非常に価値があります。しかし、その認知度はまだまだ十分とは言えません。制度の背景や実績を広く伝えることで、社会的な信頼性を高めていく活動が必要だと感じています。

ビジネス機会の創出と地域貢献

多様な実務家が集うITC九州だからこそできることがあります。メンバーの専門性を活かし、地域企業への支援や公的事業を通じて、九州全体のデジタル化・経営改革を後押ししていきたいと考えています。

届出組織版生成AI研究会の立ち上げと推進

私は現在、ITコーディネータ協会本体において「生成AI研究会」のリーダーを務めており、中小企業向けの生成AI導入ガイドの整理に取り組んでいます。この活動が一段落した後は、各届出組織にも同様の研究会を設置し、現場での実装・活用を推進していく予定です。

今回、ITC九州の理事に就任したことで、ITC九州内にも届出組織版の生成AI研究会を立ち上げる構想を進めます。生成AIの進化は著しく、中小企業にとっても競争力強化や業務効率化の重要な武器になり得ます。そうした変革を現場レベルで後押しするのが、私たちITコーディネータの役割だと考えています。

まとめ – 柔軟で実践的なITC制度の魅力

ITC制度は国家資格ではないため、制度運営に柔軟性があります。たとえば、昨年公開された「プロセスガイドライン Ver.4.0」は、現代的な開発アプローチ(BizDevOpsなど)を取り入れた大幅な改訂でした。私もその策定に関わりましたが、このような革新は制度の自由度があってこそ可能なものだったと思います。

生成AIのような新しい技術を積極的に取り入れつつ、現場での活用に落とし込んでいく。そんな取り組みを、ITC九州からも実践していきたいと考えています。

理事として、私一人で何かを大きく変えることはできないかもしれません。しかし、仲間とともに、少しずつでも前進できるよう努力を重ねていきます。今後とも、ご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします。

この記事を書いた人

井上 研一

株式会社VIVINKO 代表取締役/VIVINKOコンサルティング 代表
経済産業省推進資格ITコーディネータ/ITエンジニア

AI・IoTに強いITコーディネータとして活動していたところ、2017年に北九州市主催のビジネスコンテスト「北九州でIoT」に当時主催していたコミュニティで応募したアイディアが入選。2018年、株式会社ビビンコ(現VIVINKO)を北九州市に設立し、IoTソリューションの開発・導入や、画像認識モデルを活用したアプリの開発を行う。2024年、生成AIを業務に組み込むためのサービス「Gen2Go」を開発し、北九州発!新商品創出事業の認定を受ける。日本全国でセミナー・研修講師としての登壇も多数。
一般社団法人IT経営コンサルティング九州(ITC九州)理事